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Diary of Mayuko R.

アメリカで自宅出産した次男の出産エピソード

  • snehanam
  • 2023年11月8日
  • 読了時間: 6分


ホームバースは

リラックスできて、楽しくて、笑って、愛を感じながら

達成感と喜びに満ちた

思い出す度に胸がいっぱいになる

人生で貴重な体験となりました


その出産当日の様子を少しご紹介させてください



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お知らせ

オンラインマタニティーヨガ60分 20ドル/2000円

ご興味ある方はご連絡ください


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38週

お産がはじまる前夜

いつものように前駆陣痛でトイレに

窓から見えた満月の光が驚くほど強くて

うっとりしたことを覚えている

息子はちょうどお月様がまん丸になりもっともっと強い光になった夕暮れに産まれてきてくれた。




朝から10分間隔の陣痛を感じて

違うかもしれないけど

念のために急いで自宅出産に必要なバースキットを取り出しやすいように最終確認する。

38週頃にしようと思っていたベリーキャスティング(石膏でお腹の形を型どるもの)を

大急ぎで始める。途中サージ(陣痛の波)がついてきて、フーフー息を吐きながらも

夫が濡れた石膏のテープをピタピタとお腹に巻き付けてくれるのが気持ちよかった。

赤ちゃんが産まれてこようとしているのにベリーキャスティングを始めるところがなんとも計画性がなくて私らしいなと笑ってしまった。



その後シャワーを浴びてから

日本からサポートに来てくれた母にはお昼ご飯のおにぎりをリクエストし

ミッドワイフのパトリシアへも連絡し、お散歩がいいと勧めてくれたので

私のお気に入りの公園へ夫と息子と出かけた。

アナーバーのバーンズパークは公園ヨガで利用する素敵な木々が並び

風の通るとても気持ちの良い公園。

息子は大好きな砂場で夢中になって遊んでいる


これは自宅前の並木道

Burns Park


私は一人で公園を一周しながら

サージが来た時には木々に手を添えスクワットで波が引くのを待った

とっても綺麗な秋晴れの日で

紅葉がとてつもなく美しい日だった

私が砂場に戻ってきた時には本格的なサージがついてきた

四つん這いになって腰をゆらゆら

呼吸を整えることに集中

幸運にも砂場には私たちだけで周りの人たちを驚かせることはなかった

夫はお姉さんと電話越しに もし今日産まれたら、もし明日産まれたら、、の段取りを相談していた

そうこうしてるうちに私はもう声が漏れるほど限界に近づき

車に乗って早く帰りたいことを伝え、早足で車に乗り込んだ

移動のスピードや揺れがすごく気になってイライラした

体がかなり敏感になっていた


家に戻ってすぐに四つん這いの体勢で椅子にもたれかかりながら痛み逃しをする

痛み逃しする時には腰を両サイドから中に入れこむように押してもらうのが気持ちよくて

夫はバースプールを膨らませたり、飲み物を用意してくれたり、

全ての準備を慌てながらも痛み逃しのヘルプも頑張ってくれた

息子には私のそばでトトロを見てもらい

私の「ハーーー!!!」っと声が出る時にトトロの面白い場面が重なり息子も声を出して

お互い笑っていたのがなんだか愛おしかった

そしてサージの合間に食べた母のおにぎりはとっても美味しくて愛を感じれた




2時頃ミッドワイフのパトリシアが到着

内診で子宮口7cm

「その調子よ!」

長男の時はここのあたりのピークで無痛分娩に切り替えてぐっすり眠っていた間に

赤ちゃんの心拍が低下からの緊急帝王切開に。

私はもうやるしかない。

今回は逃げないと覚悟を決めた。



自宅のキッチンに用意してくれたバースプールの準備が整い

誰の目も気にせず裸で入る

温かさがとっても気持ち良い

夫の選曲したバース音楽を聴く

Sigur Ross や 高木正勝さん

美しい音がお産が進むことに彩られていく




膨大なエネルギーが内側から広がる

それを止めることはできない

サーフィンのように波に乗る

小波もあれば大きな大きな波

出産は自分が動物であることを教えてくれる

取り繕うことのない裸の私

波が来る前に大きく息を吸い込んで声と共に吐き続ける

過ぎ去るとふと我に返った自分に笑ってしまう

私:「動物になってる笑」

パトリシア:「それでいいのよ」




第一子の初めてのお産の時に感じた不安や恐怖はなく

覚悟を決めたからそれは私を強くさせた




夫が私の腰を押して痛み逃しを手伝ってくれた

母が私の手を握りしめてお祈りしてくれた

ミッドワイフたちが優しい眼差しで静かに見守っていてくれた




体は知っている

その時が来ることを

満月がちょうど一番強い光になる頃だった




スクワットの態勢で体を丸く

重力を借りながら

渾身の力を込めた

頭が5cmほど見えたら

つるんというよりドゥルルン

卵膜に包まれた赤ちゃんが産まれてきた

卵膜に包まれた状態の赤ちゃんは8万分の1の確率と言われるとても珍しいことで

ラッキーベイビーなんだそうだ

でも、あまりの早さに誰もキャッチできずに

床に滑りおちた赤ちゃんもきっとびっくりしただろうな





やっとやっと会えた

温かくてヌルヌルと滑り落ちそうになる小さなベビーを胸にのせて抱きしめた

ひと泣きして

私の顔を確認して

お互いの肌のぬくもりを感じ合った

とっても穏やかな子



がんばったね

一緒にがんばったね


達成感に満ち溢れて私は興奮状態だった

長男は赤ちゃんが出てきて一瞬興味を持っただけでまだよくわかっていないようだった


それから胎盤を見せてもらい、後日胎盤カプセルにしてもらう


臍の緒は完全に白くなるまで約一時間ほど切らず

鼻に入った羊水の吸引や必要のない処置はなし

なるべく赤ちゃんと私との時間を邪魔しないようにしてくれたのも嬉しかった


会陰は裂けたので裂傷の縫合を処置してもらう

(のちに骨盤底筋が裂傷したことが分かり、骨盤臓器脱に悩まされることになる。その話はまた次回に)

そのあとはトイレに行きおしっこを出して

ベッドで赤ちゃんとゆっくり過ごした




ホームバースは赤ちゃんの検診も自宅で行うので

赤ちゃんが産まれてから翌日、3日後、1週間後、2週間後の検診は自宅で、

最後の1ヶ月検診は産院で検診になる。

なので傷ついたボロボロの体に優しい

移動しなくてよいとてもありがたいシステム




いろんな出産のかたちがあってそれぞれで良い

私はたまたま20代の頃から自宅出産への強い憧れがあり、

長男で緊急帝王切開になったことで

より一層、経膣分娩してみたいという自分の本能に気付かされた

年齢的にも、コンディション的にも無理かなと思っていたけど

思いのうちを担当の院内助産師に相談してみた。

それまでずっとモヤモヤしながら病院への検診に行くのも気持ちが晴れなかった

「病院的にはもちろんオススメはできないけれど

 自宅出産するなら、この人がオススメよ」

紹介してもらった助産師さんはあいにくリタイアしていて、

彼女の紹介を経て、パトリシアとの出逢いに繋がった



たくさん夫とも話し合って、最後は夫も納得してくれた

(私の場合、大学病院が10分圏にあるというのも大きな後押しでした)

諦めずに自分にできること、可能性を探すことができたのは本当によかった。

きっとダメだろうなと思って自分にジャッジをしていたのは他でもない自分だった。

高齢出産でも、帝王切開歴があっても、第一子の時に妊娠高血圧を経験してても

幸運なことに自宅出産することを経験させてもらえた。





私にもリマインド

自分の本当の気持ちを大切に

自分で自分をジャッジしないで

きっと可能性は広がっているよ


















 
 
 

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